ランドセルで使われるクラリーノ(人工皮革)の特徴

クラリーノ

ランドセルを購入した経験がある人なら一度は聞いたことがあるワード…「クラリーノ」。聞き覚えのある人も、初めて聞いた人もこの記事を読んでクラリーノについて、また、ランドセル事情についても少し勉強してみましょう。

1. クラリーノとは?

そもそも、「クラリーノ」って何?ランドセルのメーカーの名前じゃないの?と、クラリーノについて全く知りません…という方の為にも詳しく説明させて頂きますね。

クラリーノとは、ランドセルの素材として使用されている人工皮革の種類のことを言います。

クラレ(kuraray)が開発した人工皮革「クラリーノ」は1967年にクラリーノ製ランドセルとして発売。以後、現在に至るまで常に時代やニーズに応えながら進化をし続けており、今やランドセル市場の70%がクラリーノという、まさにランドセルに最適な素材であるということをその数字が物語っています。

 

クラリーノの最大の特徴と言えば、

  • 強い
  • 軽い
  • 長持ち

…と、ランドセルにはもってこいの素材ですよね。

 

クラリーノが誕生したのは驚くことに、今から50年も前の事です。クラリーノの特徴を生かし、様々な製品の素材として活用されてきましたが、その代表格となったのがランドセルです。

クラリーノがランドセルに使用されている人口皮革であることはお分かりいただけたと思いますが…そもそも「人工皮革(じんこうひかく)」とは何?と、クラリーノをさらに掘り下げてみたいと思います。

革素材を大きく分けると主に4種類に分類され…

  • 天然皮革:本物の動物の皮です。本革とも言われています。
  • 合成皮革:天然の布地を基材とし、合成樹脂を塗布したもの。
  • 塩ビレザー:塩化ビニールの樹脂を基布に塗布したもの。
  • 人工皮革:マイクロファイバーの布地(不織布)に合成樹脂を含侵させたもの。もしくはこれを基材とし、合成樹脂を塗布したもの。

※ざっくりと4種類の説明をしましたが、もっと細かく、詳しく知りたい方は個々でお調べ頂けたらと思います。(ここでは割愛させて頂きますね…)

クラリーノはというと…天然皮革の構造をモデルに開発された高品質な人工皮革です。

天然皮革の欠点(重い、雨に弱いなど)を補い、かつ、天然皮革では再現できない機能を持つように開発されたのが現在の人工皮革の特徴です。クラリーノの他にも、TEIJIN社の開発した人工皮革「コードレ」なども同様に、その軽量・耐久性・通気機能の特徴を生かしたものづくりが行われており、もちろんランドセル分野にも使用されています。

2. クラリーノの種類

クラリーノと一言で言っても、ランドセル用のクラリーノだけでも実に6種類ものクラリーノが存在しています。この6種類をベースに、さらに様々な表面加工を行っていますので、実際にはもっと多くの種類のクラリーノが存在しているということです。

それぞれの特徴を生かし、目的に応じて使い分けられているクラリーノ。クラリーノはまだまだ進化を続けている途中なのです。

 

ここで簡単にクラリーノの種類を紹介しましょう。

  • クラリーノ:一番軽い
  • クラリーノ エフ:軽くてしなやか
  • クラリーノ レミニカ:表面が傷に強く丈夫
  • クラリーノ タフロック:ハードな傷に最も強く丈夫
  • クラリーノ リピュート:メタリック調素材
  • クラリーノ ロベニカ:通気性に優れ丈夫でしなやか

 

■それぞれのクラリーノの特徴一覧
※★が多いほど優れています。

 

クラリーノ

エフ

レミニカ

タフロック

リピュート

ロベニカ

風合い

★★

★★★

★★

★★★

不明

軽さ

★★★

★★

★★

不明

耐傷

★★

★★★

不明

 

特徴の詳細は、次の項目で紹介していきますね。

3. クラリーノの特徴

先にも記述しましたが、クラリーノに共通する特徴は、

  • 強い
  • 軽い
  • 長持ち

…でしたね。これらの特徴をさらに詳しく見ていきたいと思います。

 

<特徴1:強い>

何といってもクラリーノは耐久性に優れており、丈夫なんです!

  • 6年間使用することを想定したうえでの厳しい基準をクリアした素材なので、安心して使えます。
  • 伸縮性もあり、引っ張りや引き裂き、折り曲げなどの外部からの衝撃に対しても対応する丈夫な素材なので、元気いっぱいなお子様の6年間に最適です。

 

<特徴2:軽い>

素材そのものが軽いので身体の小さなお子様でも安心

  • 素材そのものが軽いので、ランドセルの軽量化にも成功しました。
  • ランドセルの軽量化は身体の小さめのお子様でも安心して使用でき、子どもたちの肩への負担も軽減してくれます。

 

<特徴3:長持ち>

とにかくお手入れが簡単なので、きれいな状態を長く保つことができます。

  • クラリーノは表面に耐水性のウレタン樹脂で構成されていますので、水にも強く、濡れてしまっても型崩れしたり、シミになったり、重たくなったりすることも無くサッと拭き取るだけで大丈夫なんです。
  • もしも汚れてしまった時の対応も簡単!水で薄めた中性洗剤で汚れを拭き取り、硬く絞った布で水拭きすればOK。早めのお手入れがいつまでもきれいな状態を保つ秘訣です。

 

この他にも、クラリーノならではの特徴として

  • 断面がほつれない
  • 自由な裁断が可能
  • スエード加工が可能
  • 漉き加工が可能
  • 厚みのバリエーションが豊富
  • 耐久性がある

などなど…ランドセル製品だけに留まらず、様々な製品に活用される理由がよく分かる、画期的な素材であることが伺えますね。

 

では、クラリーノは優秀・万能といったイメージがありますが、クラリーノのランドセルにもメリット・デメリットはあるはず…。ということで調べてみました。

<クラリーノのメリット>

  • 価格が手ごろ
  • カラーバリエーションが豊富
  • デザイン性が高い
  • 手入れが簡単
  • 水に強い
  • 型崩れしにくい

といった点が挙げられます。なんだか非の打ちどころがありませんが、デメリットはあるのでしょうか?

<クラリーノのデメリット>

  • 引っ張り等には強いが、傷に弱い
  • 天然素材と比較すると風合いが劣る

デメリットも存在しましたね。しかしながら、そこは進化し続けているクラリーノだけあって、最近のクラリーノは傷に強いものや、艶消し加工されたものなど、デメリットをフォローするかのような商品も展開されています。

4. クラリーノと他の素材を比較

では、クラリーノと他の素材(牛の革・馬の革)を比較してみることにしましょう。

素材が違えばそれぞれにまた良いところがありますからね。

クラリーノと他の素材の比較は、こちらのページで詳しく説明しております。

クラリーノと天然皮革のメリット・デメリットを徹底比較!

5. クラリーノのまとめ

クラリーノについて少しは知識が深まりましたでしょうか?実に70%ものランドセルがクラリーノというのですから「知らない」では済まされませんものね。

6年間使用するランドセルですから、素材からしっかりと学んで、悔いのないランドセル選びが出来ると良いですね。

 

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

牛革とコードバン

ランドセルで使われる天然皮革(牛革、コードバン)の特徴

クラリーノと天然皮革を比較

クラリーノと天然皮革のメリット・デメリットを徹底比較!